「今日はイラストを描くエネルギーが無ぇ…」
午後4時、ボクは部屋の中をフラフラ歩きながら困っていた。
どうにもエネルギーが湧いてこないのだ。
作業興奮の仕組みを熟知しているから、やり始めればやる気が湧いてくる…ということは知っている。
しかしながら、やり始めてもエネルギーが無さすぎるとやる気が湧いてこないこともあるのもまた事実なのだ。
原因はエネルギーが減っていることだけでは無いはず
「落ち着いて、今日はなぜやる気が湧いてこないのかを考えてみるか…。」
部屋の中を歩きながら、色々と考えてみた。
朝いちにトレーニングをして、仕事をして、ドラムをした。ここまでで体力は結構使った。
そして仮眠をとり、少しエネルギーが回復して、英語勉強を10ページ。ここまで結構いつもの流れだ。
ただ、英語勉強の段階で結構エネルギーが枯渇していた。10ページ読むのに結構時間がかかっていた。
そして、枯渇したところにイラストタスクがきた訳だ。
「ふむ…単純にエネルギーを使いきった、とも考えてもいいんだが…。」
時間はまだ夕方の4時だ。4時でもうエネルギーが空っぽになる32歳…ちょっとおかしいような気がした。
原因はエネルギーが減っていることだけでは無いはずだと思ったのだ。
レベルに合ってないことをやり始めたから?
「何がボクの心をブロックしているんだ?」
何かがボクをビビらせているような気がした。イラストを描き始めることに、何か抵抗感がある、それはなんだろうと考えた。
「分かった…!レベルに合ってないことをやり始めたからだ!」
最近ボクは、イラストのトレースじゃなくて、書き写す(?)練習をやってみていた。
トレースは描きたい絵の上をなぞるようにして描きうつす練習方法だ。
そのまんまなぞっていくような感じだから、出来上がった絵は結構ソレっぽくなるし、何よりなぞっていくだけだから「ウンウン」とうなることもない。
それでありながら、大切なコトを沢山学べるとして、イラスト初心者はトレースしまくれとよく言われているのだ。
なのにボクは最近、トレースを一旦置いておいて、見ながら写すことをやり始めていた。
挑戦してみるかと思ったのだ。
シンプルな絵ならトレースじゃなくてもいけるだろうと思ったのだが、初心者にとっては超難しかった。
白紙の上に自分で描いていく。横の画面に答えがあり、それを見ながら描くといっても、ボクにとっては難題だ。
そして、かなりストレスがかかる作業でもあった。
トレースに戻ろう、アボカドを描こう
「そうか。今のボクにとって難しかったんだ。ちょっとレベルアップさせすぎたんだな?」
最も成長する難易度は、「ちょいムズ」くらいであるとされている。
トレースでもまだボクにとってはちょいムズだった。
なぞるだけとは言え、まだペンタブに慣れきってなくて、線もブレブレになる。
まだトレースを卒業する段階になかったのだ。
「じゃあ今日はまたトレースに戻ろうか。」
そう決めたら、一気に心が軽くなった。やっぱり、タスクが重かったんだな、と思った。
その上で何を描くか…また好きなイラストを描いても良かったのだけど
「…アボカドでも描くか」
最近「アボカドの歴史」というマニアックな本を図書館から借りてきて読んでいた。
アボカドが好きなので読んでみたのだ。中々に面白かった。
という訳でアボカドを描こうと、アボカドの画像をまずはダウンロードした。
実際の映像をトレースするというのはやったことが無かったので、少し楽しみだった。
デッサンのペンを使ってなぞった。
光の表現をどうしたらいいか分かんなくて、適当にシャシャシャっとやってみたのだけど、初めてなのだからまぁこんなもんだろうくらいの感じになった。
※そう言えば右のアボカドの影を描いていないな。
やりたくない!の原因は2つ
「結構楽しかったな」
描き終わって、そう思った。
あんなにやる気が無ぇと思っていたのに、今は少しワクワクとしている。
やる気なんてこんなもんなのだ。
その状況、タスク内容でコロコロ上下するものだ。
今回の件で思ったのは、「やりたくない!」の原因は、
- 飽き
- レベルが合っていない
の2つが大きいんじゃないか?ということだ。
内容に飽きるのは自然なことだ。順化ってやつだ。
これは内容を変えていくことで防げる。
ドラム練習で言えば、取り組む曲を変えたり、テンポを変えたり…などだ。
レベルが合っていない、これは一番気を付けるべきことかもしれない。
ボクだけじゃないと思うんだが、
「速く上手くなりてぇ!!!」
とやはり思ってしまう。すぐに成果が欲しいと思う。
だから、すぐにレベルを上げたくなってしまうのだ。
まだそのレベルに達していないのに、すぐに次の段階に手を伸ばしてしまう。
そして、レベルが合ってないから上手くできなくて、上手くできないからモチベが下がって沈没。
こういう現象が起きてるんじゃないかと思う。
レベルが合ってないことに気づけるかどうか
とはいえ、次のことをやってみる、というのは悪いことばかりじゃない。
「今はまだ、このステージはクリア出来ないんだな!」
それが分かれば、前のステージでまだ練習すべきなんだと明確に分かる。
本当は次のステージに行けるのに前のステージにずっといる…というパターンもあると思うので、試してみるのは悪くない。
ただ、レベルが合ってないと思ったら、レベル調節はした方が良さそうだ。
問題なのは、レベルが合ってないことに気づけるかどうかだ。
そして、レベルが合ってないことに気づくサインの一つが「やりたくない!」という気持ちかもしれない。
今回はそうだった。きっとまた同じことが起きるだろうと思う。
また「やりたくない!」と思った時に、今回のコトを思い出せたらいいなぁと思う。
「それはレベルが合ってないサインだぞ~」
と。