【要約まとめ】幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない【レビュー】

幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない

今回は、

  • 「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」の要約や感想を知りたい!
  • 幸福ってどうやったらなれるんだろう?
  • 幸せになりたいのに行動に上手く繋がらない

といったコトを考えている方向けの本をまとめていきます。

臨床心理学の内容になりますが、臨床心理学に触れたことがない方でも分かる内容なので、困っている方は参考にしてみて下さい。

ちなみに元のタイトルは「The Happiness Trap(幸福の罠)」なのですが、これはまさに「幸福になりたい想いが幸福を遠ざけるというトラップ」を指しています。

幸福を追い求めずに、現在に集中し、自分の感情とどう付き合うかを学べる一冊です。

私たちは不幸になるように進化した

このブログで何回も書いてきた記憶があるのですが、人間は不幸になるように、不安になるように進化してきた経緯があります。

はるか昔、人類は多くの外敵や危険にさらされていたので、周囲を常に気にしていなければならなかったのです。

敵がいるかどうか気にしている人と、気にしていない人…もし本当に敵がいるのなら、気にしている人が生き残っていったのは当たり前ですよね。

そうした遺伝子が現代になっても残っているので、むしろ不安症、心配性の個体というのは「生き残るのに適した個体だった」ということなのです。

幸福を目指しても幸福になれない?

幸福になりたいなら幸福を目指さなければいけない気がしてきます。しかし、本書は幸福になろうとしてはいけないというのです!

まず、「幸福な状態」と「幸福でない状態」の二つにボクたちが分けて考えてしまっています。

「幸福でない状態」は「悪い状態・改善しなければいけない状態」と考えてしまっているのです。

幸福じゃない!このままじゃダメだ!自分はダメなんだ!みんなは幸福に見える!辛い!苦しい!

こうなってしまっているよね、ということです。

そして、このネガティブな気持ちをなんとかしようと苦しんでいて、でも苦しんで考えるほどに現状の「幸福でない状態」を沢山考えることになり、頭の中でループし、余計に苦しみが増していく点という状態なのです。

そこで本書では「ACT」という方法が提示されています。

ACTとは

ACT(アクト)とはアクセプタンス&コミットメントセラピー(Acceptance and commitment therapy)という心理療法です。

  • A:Accept=受け入れる
  • C:Connect=今ここ、自分と繋がる
  • T:Take effective action=よい行動をする

この3つの行いの頭文字をとったのが「ACT」。

ACTでは、まず感情の居場所を作り、感情に翻弄されないようにします。思考と感情を受容する訳です。

そして不安や恐怖ばかりの未来ではなく、今いる自分、今という時間に目を向け、自分にとって意味のあるよい行動を取っていくためのアプローチをしていきます。

ACTの6つの基本行動原則

ACTでは6つの行動原則があります。

  1. 脱フュージョン
  2. 拡張
  3. 接続
  4. 観察する自己
  5. 価値の確認
  6. 目標に向かっての行動

脱フュージョン

フュージョン」とは「融合・一体化」のような意味がある言葉です。ドラゴンボールを思い出しますね(*ˊᵕˋ*)

そして「脱フュージョン」とは、「自分が考えたコト、自分が今感じている感情」をいったんは脇に置いて、距離を空けてみましょうということです。

脳は勝手にあれこれと不安になることを考えるようになっています。これは遥か昔からのシステムなのです。

それらは本当に勝手に浮かんでくるので、浮かんできた考えや感情をただ見つめて、「こんなことが浮かんでるなぁ」と、ちょっと離れたところから見る訳ですね。

拡張

拡張は、心のスペースを増やして、そこに不安な気持ちや思考を入れておきましょうね、というアプローチです。

これは脱フュージョンと同時に行えばいい訳ですが、不安な気持ちや思考が出てきたら、心のスペースの端っこにとりあえず一旦置いておきましょう。

捨てようともしない、気にしない訳でもない、ただ「不安な気持ちを置いておくスペースに置いておこう」ということです。

不安な気持ちをモノとして考えるようで、面白い感覚がありますね。

接続

未来を考えると不安になり、過去を考えれば後悔するのがボクたちの脳の構造です。

そこで大事なのが「今、この瞬間」に意識を接続することになります。

今という時間に意識を向けてみましょう!

観察

なお

これは「自分は今、こんなことを考えているなぁ」と観察するアプローチです。

こんなことに不安になっているなぁ、こんなことをやらなければと焦っているんだなぁ…と、第三者目線で見ます。

価値の確認

ここまでで自分の感情が一旦は和らいできますので、次は行動をしていく訳ですが、行動をする前にするのが「自分の価値観とは?」と確認することです。

「ボクはどんなことを大切にしたいのか?」をここで考えます。

目標に向かっての行動

いよいよ行動していきますが、ここで大切なのは「価値観に沿って行動する」こと。

こういうことを大切にしたい、こういう風に生きたい。

そんな価値観から離れないようにします。

もし離れてしまっても、また戻ってきて、価値観を思い出しましょう!

難しすぎる目標を立てないこと

風に髪がなびくなお

目標が大きすぎれば、または目標達成を急ぎすぎれば失敗しやすくなり、ネガティブになりやすくなります。

長い目で見て、じっくりと、自分に可能なレベルで動いていくことが大切です。

また、完璧主義にならず、大雑把にやる感覚も重要になります。

ネガティブになったらどうする?

人はネガティブなことを考える仕組みになっていますので、「ネガティブになってもいい、全然おかしくないのだ」という考えがまず大切です。

ネガティブになったら、「ネガティブな気持ちになっているなぁ」と、まず自分の感情を見つめます。

そして、脱フュージョンと拡張のアプローチで、感情を一旦は拡張スペースに置いておきます。

感情と戦わず、消そうとせず、ただ置いておくのです。

そしてまた、今ここの自分と接続し、価値観を確認し、よい行動をとっていきます。

未来への不安はこう考える

ハーブ農園

「自分の目標は達成されるだろうか?未来は大丈夫だろうか?」

こんなことを考えるのもおかしくありません。

ただ事実として、「目標が達成されるかは誰にも絶対に分からない」ということがあります。

未来は、神様以外は分からないことなので、不安になっても解決はされません。

よい行動を取り続けるほどに達成される確率は上がり、不安になって行動が止まるほどに達成確率は下がります。

つまり、「未来は大丈夫だろうか?」という気持ちは一旦は置いておいて、「価値観に沿ったよい行動をただシンプルに取っていくこと」が、ボクたちができる最善のことということです。

いつ達成されるのかは気になりますが、あまり気にしすぎず、ただこの道を歩いていく…そんなイメージです。

そして、道中に不安になっても、「不安な気持ちが出てきたぞ~」と第三者目線になっておけばOKという訳です。

今ここに接続するには?

マインドフルネスに慣れてない方は、「今ここに接続する感覚」が分からないこともあるかもしれません。

これは実は簡単です。今目の前にある飲み物や食べ物、物体、窓や天気、植物、足が地面に設置している感覚や背もたれにつく背中の感覚に超集中してみてください。

よく見たり、よく感じたりしてみて下さい。

この時、ボクたちは今ここにいます。

明日を考えず、今この瞬間にいます。

また、呼吸に集中することでマインドフルネス瞑想になります。

空気が出入りする感覚を、目を瞑って感じます。これが「今ここにいる状態」です。

まとめ

城下町を歩くなお

「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」は、不安や恐怖を受け入れて、よい行動を取れるようにする方法を解説したよい本です。

  • 幸福を追うと、現在は常に不幸という認識になってしまう
  • 不安になるのは当然
  • 不安は拡張スペースに置いておく
  • 価値観に沿って行動していく
  • また不安になっても脱フュージョン
  • ただ良い行動を行っていく

このような内容になります。

もっとより深く知りたい方は、ぜひ本を買って読んでみて下さい。

それではまた!