漫然と練習でもいい。
そう思っていたし、別にステージに立たないのならそれでも良いと今も思う。
ただ、ヤバいベースを聞いた時に、漫然と練習しよ〜という心は崩された。
あまりにも明確な音だった。
「こういう音を出そう」
って意識をひしひしと感じた。
この人の中にその音があって、それを外に出した感じだってことがよく分かった。
漫然とやりたかったけど、今はまだステージに立つ機会があるから、まだウダウダでいいやと思うには早いか…と思い、心を改めた。
今日の練習はとても良かった。
1音1音、
こういう音を出したい…ここが少しボヤけてる…ここはもっとツブツブに…ここはギラっと…ここはもっとドラムのクイとシンクロしてグイッと…
そんな感じでずっとやっていた。
こう思うに至ったのは、最近色々あったからでもあった。
ファッション好きが、服の糸を語る動画を見た日。
ユニクロは糸からすごいだの、糸の巻き数がなんだの、あれがこーでここがこーで…
価値の高い服ほどそういった細やかなところから凄いんだそうだ。
1人二万円のお寿司を体験させてもらった日。
普通のお寿司とは全く違う、こだわりまくった味。
酢飯に魚の切り身を載せた料理が、ここまで感動させてくるかと驚いた。
俺は60〜80点をサクッととっておけば良いじゃんの人だった。
完璧主義なところがあるゆえに、この考え方によって生きやすくなっていた。
しかし、「高品質」というものの良さを知り始めてしまった。
MacBook Airの新型を買って、Apple Watchを買って、ホカのスニーカーを買って、お気に入りの美容室に行って、労力を割いて作られるものは、その他、それ未満のものをめちゃくちゃ凌駕すると感じてしまった。
そんなこんながあった末に、先日の師匠方の高品質なプレイを見て、さらにヤバいベースにも触れて、考えが改まってしまった。
別に元々の考えでも楽しく暮らせたと思うのだけど、せっかくの気づきだから、しばらくは高品質を目指して取り組んでみたいと思う。
狂いのない丁寧な縫製をするかのごときイメージを描きながら…